イモレンジャーとは?


イモレンジャーとは、戸塚こだまが小学生高学年の時に
プリント裏に数話書いたものを初出とし、その清書版及び続編としての第一期・第二期、
リメイク版としての第三期、その他スピンアウト作品をも含めた
包括的総合的イモ作品を指す言葉である。


■あらすじ

イモレンジャーの三人ジャガーとサツマとイチョウはスーパーミラクルエリートイモヒーローである


■登場人物

作品により名称や性格設定がやや異なるので、
ここでは最小公倍数的なプロフィールを紹介しよう。


イモレンジャー

ジャガー
イモレンジャーのリーダー。 正義感が強く、いつどんな時でも正義にこだわる性格。 逃げ足が速い。
サツマ
和風のイモ。頭が切れるイモレンジャーのブレーン。イモ収集、爆弾プラモデル収集など多趣味。
イチョウ
音感やリズム感覚に優れ、よく踊っている。



闇のイモたち

ヤム
拳法家だったりロボットだったりするので一貫性がない。
タロ
魔法使いのイモ。曖昧模糊として掴み所のない性格。実際に魔法を使うのかどうかは知られていない。
キャッサバ
闇のイモたちのリーダーで魔界のイモ王子。プライドが高く、無視されるのが一番嫌い。



その他のキャラクター


川火俊芋
真のイモを目指す少年。ジャガーよりも逃げ足が速く、憂鬱になると通常の十二倍の湿気を持つ。
山野芋太
第二期に登場する。イモが嫌い。アイデンティティが非常に薄い反面、崖登りといったきつい仕事をこなす。
Dishレンジャー
イモに反旗を翻す貴族的な食器たち。ショッキ城(キャッスル)に住む。



スピンアウト作品




こんにゃく小次郎
日本一を目指す剣豪。師匠に頼まれたお使いの道中、物干し竿と釣竿を振るって戦う。
焼き芋武蔵
熱血剣士。とにかく火を出す男。
テイモ法師
芋闇宗の教祖で幻術を使い、小次郎の持つ「沖縄いも」をつけ狙う。
ベニマルとエビイモ
芋闇宗の忍者で、クナイ名人のベニマルと吹き矢マニアのエビイモ。一時期サツマも仲間だった。




■作品解説

イモレンジャーの各バージョンについて説明しよう。


初出版


原稿は散逸してしまい現存しない。
小学校高学年の頃、プリントの裏に数話書かれた。
イモレンジャーの三人や川火のみ登場し、闇のイモは登場しない。
また、イチョウの代わりにナガイモが登場する(衣装や性格は同じ)。
少なくとも第一期第1話「謎のイモ男」、第2話「イモレンジャー登場!」、
第14話「ある農家の物語」、第21話「モンスター・イモ」の原案を含む。



清書版(第一期)



小学校高学年〜中学生の頃、A4ノート一冊に書かれた。
全30話とスペシャル1話から成る。2頁で1話。
第1話と第2話のみミリペンとサインペンでペン入れされている。
第28話の「vs.Dishレンジャー編」は長編であり、実質9話分を含む。
また第28話までは小学校時代に継続的に書かれているが、
第29話・第30話・スペシャルはやや後の年代に描かれており、
中学校進学後の製作と考えられる。



清書版続編(第二期)



中学生の頃、A4ノート一冊に書かれた。
全5話から成る。2頁で1話。
第一期の続編または長編の一つであり、
不思議な宝物「ミラーリ」をめぐるイモと人の争いを描いている。
第一期で登場した必殺技を再利用し、
一個の作品としての内的一貫性を明らかにした。



リメイク版(第三期)



高校の頃、A4ノート一冊に書かれた。
全3話から成る。4頁で1話。
清書版のリメイクとして設定を一新して描かれた。
不特定多数の鑑賞に堪えるよう合理性・人間性を重視しており、
イモレンジャーの起源をも明らかにする意図から結成秘話が描かれた。
また全てのメンバーの衣装がリニューアルされ、より精緻化された。



スピンアウト作品


弟ヒローンとの合作として「イモレンジャー外伝」を企画し、
本編とは全く異なるイモたちの物語が考案された。
そこでベニマル・エビイモら忍者のキャラクターが生まれたことと、
サツマが以前忍者であったという設定とを関連させ、
彼らの確執やイモ忍者同士の争いを描いた短編が作られた。
ヒローンの手になる「イモレンジャー外伝」原稿は行方不明であり、
戸塚こだまによる短編二つと手製メンコが現存している。



■結論
イモレンジャーはその制作年代の幅広さから画風・作風の推移が観察しやすく、
戸塚に影響を与えた技法や思想を研究する上での基礎的文献である。
また内容について言えばナンセンス性・宗教性・キャラクター性が交差しており、
独自の作品世界を構築しているといえよう。
しかしながら技術的な成熟には程遠く、リメイクの試みも未だ中途であるため、
今後新たな続編またはリメイクを打ち出していくのか、
それとも別作品の中にイモ的なるものを描きこむことを志すのか、
次なる展望のためにも一層の研究が待たれるところである。


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